顧客
顧客とは?
ビジネス行動における顧客とは、誰のことをさすのだろうか?
マーケティングで顧客のことをターゲットという表現を使うが、顧客とは「標的」なのだろうか?
よくよく考えて見ると、マーケティング用語には戦争を模した言葉が多く見られる。
ビジネスは競争だから、他社との争いは必然的に戦争の比喩で語られ、分析する方が勝利につながりやすい、と思われている。
戦争をベースにした発想では、顧客をどうイメージするのだろうか?
しかし、顧客との継続的な関係、すなわち、顧客のLTVを最大化する方向では、winwinな関係構造でマーケティングも考えられないだろうか。
通常、市場で自社の商品を買ってくれそうな人を潜在顧客と言う。お客さんになってくれそうな人のことで、見込み客という言い方もする。
多くのまだ見ぬ潜在顧客に対するアプローチは「広告」で行うが、広告目的は大きく分けて2つある。
ひとつは商品や会社の「告知」または「認知」。つまり、広く、多くの人に知ってもらうこと。商品や会社の存在をまず知ってもらうことが目的である。
もう一つの広告の目的は「反応」を得ること。
それを見た人に何らかのアクションを取ってもらうことが目的の広告だ。
企業と具体的なつながりを付けるための広告。
その「反応」とは、「問合せ」「資料請求」「サンプル購入」「来店」「会員登録」など。
ここで重要なのは顧客の方から手を上げてもらうことだ。この時に企業にとって、形のなかった潜在顧客が少しカタチのある見込客になる。
この見込客の中にはすでにその商品に対する知識が豊富。
その価値も十分知っていて、購買欲求がはじめから高い今すぐ客もいれば、ちょっと様子見のそのうち客もいる。
最初の来店や申込み、登録から、初めての購買までを新規客とするなら、何度も購入してくれる顧客は、リピート客とか常連客になる。
そして、何年来のおつきあいをしてくれる古くからのお得意様は、特別客ではないだろうか?
潜在顧客、見込客、そのうち客、今すぐ客、新規客、リピート客、常連客、そして特別客。
では、これらの顧客像はいったい何を表してるのだろうか?
これらは、顧客とお店、会社との親密度の違いを表す表現ではないだろうか?顧客にとっての信頼感の度合い、お店に対する満足の記憶の累積。
実は、顧客ロイヤリティの育成過程がそのまま顧客像の推移と重なっている。これがブランディングの正体ではないだろうか?
逆に言うと、顧客とは、「企業が社会に対して提供すべき価値を教えてくれる重要なパートナー」であるとも言える。
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